ディプロマシー

ITエンジニア(あるいは多くの日本人)の裏切り耐性

 

枢機卿の石神です。

今日は、「ディプロマシー」というゲームを通じて私が感じたことを書きたいと思います。

ディプロマシーについての解説はWikipediaをはじめとして、多くのWebページでされているので割愛します。

簡単に言うと、
・第一次世界大戦前のヨーロッパが舞台
・プレイヤーは7人まで、7つの国をそれぞれ受け持ち、戦争をして領土拡大を狙う
・土地による有利不利はあるが、戦力としては拮抗、このため協力(同盟)、交渉が大事
・「友情破壊ゲーム」とも言われている
といった感じです。
私自身は、このゲームを数回しかやったことが無く、ゲーム自体の分析が出来るほど習熟している訳ではありません。
「ディプロマシーというゲーム自体に詳しくない人達がやっている」という前提でお読みください。
(「ディプロマシー」自体への解釈も、経験の少ない私の独自のものです。偉そうな語りですみません。)

「ディプロマシー」というゲームは、前述したように、戦力が拮抗しており、
1対1ではつねに「あいこ」になってしまうことから、ほぼ必然的に同盟を組むことになります。
しかし、大事なことは、「同盟国と一緒に勝てばいい」ゲームではないということです。
このゲームの最終的な目的は「1位になること」ですから、同盟を組む、といいながら、
「どこかで必ず裏切る」ことが明白なのです。
本当のWin-Winなんて無い。世知辛い世の中をそのまま表しているようです。
さて、このゲームの内容を知った私は、ざっくりとこのゲームを「コミュニケーションゲーム」だと
認識し、自分が働いている「IT業界」の人たちに、是非体験してほしいと考えました。
そこで、ITエンジニアを中心としたゲーム会を開催し、「ディプロマシー」体験を実施しました。

以下、その中で実際にあったことを羅列します。
世の中の全員が、ということは無いでしょうし、「ディプロマシー」自体に詳しい人が居れば
こうならないかと思うのですが、私が開催した会では、ほとんどの人がこんな状態になりました。

・最初に協力するときはきちんとメリットデメリットを説明する必要があるが、
一度一緒に戦って達成すると次回から説明は少なくても信用される(=味方と認識)
・共通の敵への対処法を話している相手は味方
・自分に有効なアドバイスを一度もらえると味方

こうやってなんとなく同盟ができ、味方同士のイメージでゲームが進行していきます。

”本当の味方はいないのに”
”このゲームは同名を組んで裏切るゲームですよと説明したのに”
です。

みなさん、はっきりしない状態を望んでいません。まずは敵味方をはっきりさせたい。
最初は誰も信頼できないけど、「誰かを信頼したい」という気持ちが強いのでしょう。
その上で、味方と一緒に、時には、「自分を犠牲にしても味方の為に」動きます。

何度も言いますが
”本当の味方はいないのに”
です。

これでは、裏切り放題です。
いい話を最初に振って、適当に話を合わせて味方と思わせれば、どんどん思った通りに動いてくれます。

ある回では、7か国に2つの同盟が出来たのですが、参加した私は
【両方の同名に参加していました】。
そんなのどう考えても怪しいじゃないですか。
「向こうから情報を得てきたんだけど」って、都合のいい話だけ伝えるに決まってるじゃないですか。
そもそもここでの話も向こうに伝わってるのは当然じゃないですか。

なのに、まともに疑われることはありませんでした。
的確に全体の情報を把握できているので、正しく「勝てる」情報を伝えられて信頼を勝ち得たからです。
「負ける」情報はただ伝えなかっただけですが。
そして、勝ったり負けたりをみんなが繰り返す中で自分だけは負けない。
そりゃ勝ちますよね。

何度も言いますが、私が「ディプロマシーというゲームが得意」とか言うつもりはありません。
状況が把握できていない参加者が巻き込まれただけ、というのが正しい理解です。

でも、このゲームを経て私は思ったのです。

・ゲームの全体の状況を俯瞰して理解できていないと、みんなこういう反応になるのでは
・そもそも、これはゲームだけの事なのか?仕事上でも同じことは起きていないか?

例えばIT業界でいえば以下のような場面です。

・開発チームにとって、営業は敵だ。しかしあの営業は違う、
こちらの状況を把握してうまく話を持ってきてくれる。あの営業の話は無理をしても聞いてあげよう。
・この開発手法を最初に選択するときにかなり議論して決めた。そして今までうまくやってきた、
だから次もこの開発手法でいこう。これしかない。
・あの顧客は良く開発現場に来てくれて話を聞いてくれる。その上で進め方について的確な提案をしてくれる。
なんだかすごく忙しくなっている気がするけれど、できるだけ答えて行きたい。

うまく使われているだけ、IT業界というゲームのルールに気づけていないだけの人も居るのではないでしょうか?

別に悪いことだと言っている訳ではありません。
ただ、「正直者が多すぎる」というのが感想です。
これは、IT業界だけなのでしょうか?なんとなく、日本人に多い特性のような気もするのですけど…。
謎を残したままこの記事は終わりです。
「裏切り」耐性については、是非今後も追加検証を実施して、記事にしていければと考えています。

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